- 陥没乳頭(保険適用) –
 陥没乳頭で悩んでいらっしゃる方も多いと思います。陥没乳頭は外見上の陥没変形で心理的な苦痛を生じるとがあります。(温泉にゆけない、他の人に見せられないなど)また、機能的には赤ちゃんがお乳を飲めないという授乳障害を生じます。

 また、陥没乳頭の陥没部に外から菌が入李、感染すると乳輪下膿瘍を生じることがあります。この場合は痛みが出たり、切開排膿や手術が必要になることがあります。これらは女性にとりましても大きな問題となります。


<陥没乳頭の定義>

 乳頭が乳輪から突出せず、常時陥没した状態を陥没乳頭と言います。乳頭が乳輪とほぼ同じ平面になる状態は扁平乳頭といいます。陥没乳頭は乳管が短縮して引き込まれている状態で引き出すと皮膚は突出します。扁平乳頭は乳管が短く、皮膚も足りない状態です。

 どちらも、先天的要因(生まれたときから)が主体ですが、外傷やアトピーなどの炎症でも生じることがあります。陥没乳頭はお母さんのお腹の中にいた頃、すなわち胎生期に乳管の発育不全により生じます。ですから、小さい頃から乳管が縮んだ状態です。程度の軽いものは乳頭吸引器などで訓練すると乳頭が出てきます(乳頭吸引器は当院にありますので相談してください)。

 しかし、中等度から重度の陥没は手術適応になります。小さい頃から十数年以上乳管が縮んだ状態ですので手術はそれほど簡単ではありません。手術は丁寧に行うので両側で1時間〜1時間30分を要します。形成外科の教科書にも書いてあることですが、再陥没の可能性は完全に否定できません。私が工夫したオリジナルの手術はとても効果的です。陥没を治すのと同時に乳頭の形を整えます。また、広がった乳輪もやや小さくまとまります。手術に関して詳しく説明し、十分ご理解いただいて手術を予定しますのでご安心ください。

術後はきちんと麻酔がさめ、しっかりした状態で帰宅しますので数時間、クリニックへ滞在します。

私は陥没乳頭を多数手術していますので安心して相談して下さい。


 陥没乳頭についてはたくさんのご相談がよせられます。この中で比較的多い質問に対して下記にお答えします。


Q 陥没乳頭手術は健康保険の適用ですか?

A 陥没乳頭は上述しましたように形態的な問題だけでなく、乳輪下膿瘍という感染症をおこしやすく、また陥没の程度によっては授乳という大切な機能に支障をきたすこともありうる“疾患”と考えますので、当院では保険適用として治療を行っています。現在、授乳障害がある場合のみ、保健適応は認められています。ですから、特殊な場合は別として授乳年齢は40代半ばまでと考えられます。それ以降の年齢の方は保険適応にはなりません。


Q 陥没乳頭の手術をうけるときの費用(健康保険本人負担分)はどの程度ですか?

A 診察のみ行った場合、初診料の本人負担分は810円です。診察後、手術を前提として術前検査を行った場合は本人負担の合計は2960円です。手術当日の健康保険の本人負担分は両側で手術料そのものの本人負担分は約45000円、麻酔料、薬剤や点滴などの本人負担分が約24000円程度、合計約69000円程度です。陥没乳頭の重症度によっては特別な手術を同時に併用して行う場合もありますのでその場合約8万6千円前後です。(これも保険適用です。)


Q 手術には入院が必要ですか?

A 全例、日帰り手術、外来治療で可能です。


Q 手術を希望する場合の治療の流れを教えて下さい。初診時にすぐ手術をしていただけるのでしょうか?

A 原則的に初診時に即手術は行っておりません。まず診察をして手術の適応かどうかを判断します。手術の適応にあり、患者さんご自身も手術を希望される場合はまず術前検査を行い、手術日を決定します。以後の来院日は手術当日、手術翌日、術後1週間、術後2週間、術後1ヶ月、術後3ヶ月・・・術後6ヶ月、1年となり、1年間のfollow up を行います。術後1年で再陥没がなければOKです。


Q 敏感な場所なので手術の時の痛みが心配です

A 通常は静脈麻酔と局所麻酔を組み合わせて行っています。手術は矢永博子が行いますが、麻酔は当院理事長の矢永茄津(麻酔科専門医師)が担当します。手術は眠っている間に終わります。ただしこの場合車を運転しての帰宅は禁止です。本人の希望があれば局所麻酔での手術も可能です。


Q 手術にともなう合併症・危険性は?

A まず形成外科の教科書にも書いてあることですが、幼少時からある陥没ですので年期が入っています。再陥没の可能性は完全に否定できません。ただ、私が開発したオリジナルの手術法は再陥没が少ないのが特色です。メスを加えるからにはどんな手術も感染の危険性があります。開院以来当院で行った陥没乳頭手術は1例も術後感染症例はありません。解剖学的構造上乳管の周囲を操作しますが、教科書的な乳管損傷の発生例はありません。


術前側面(乳頭は陥没) 術後(乳頭はよく出ている)