乳頭乳輪再建について
1.乳頭の再建

健側の乳頭を移植する方法(移植法)と新しく乳頭の高まりを作る方法(矢永法)があります。


1)健側の乳頭を移植する方法(移植法)

反対側の乳頭が大きい場合に乳頭を半切して患側へ移植する再建法です。色調、質感が最も似ているのは

健側の乳頭です。従って、健側の乳頭が大きい場合は健側の乳頭を移植する方法が適応になります。

あくまで患者さんがこの方法を希望することが前提となります。患者さんが健側を傷つけたくない場合や将来

お産を希望している場合は適応となりません。また、健側の乳頭が小さい場合や両側の再建例では行えません。


2)新しく乳頭の高まりを作る方法(矢永法)

新しく皮膚の高まりを作って乳頭を再建する方法です。乳頭が小さい場合や両側の再建例が適応になります。

これまでの皮弁による再建法は乳頭の高まりを維持するのが難しかったので新しい方法を工夫しました。

これまでの局所皮弁は基本的に軟部組織を用いたものが主体であり、術後に瘢痕が柔らかくなると、支持性を

失うことが多いからです。私は二枚の真皮脂肪弁の中に軟骨や人工骨を挿入し、乳頭の支持性が保たれる

よう工夫しました。


2.乳輪の再建

乳輪の再建は健側の乳輪が大きい場合には乳輪の外側をドーナッツ状に採取して移植する方法があります。

健側の乳輪を用いる場合は乳頭と同様に患者さんがこの方法を希望することが前提となります。

この方法の問題点は健側の乳輪に傷跡が生じることです。乳輪の傷跡は乳頭にくらべて目立つからです。

私は乳輪に関しては大腿基部のやや色素沈着した部位の全層皮膚を採取して移植する方法を用いています。

胸の皮膚はぴかぴかした質感ですが、乳輪はざらざらした質感なのでそれとにた皮膚を移植した方が自然な

質感になります。大腿基部は皮膚が薄く、やや色調が濃いので移植すると乳輪の色合いになります。

長期間経過すると色調がやや薄くなることがありますが、その際患者さんの希望で”tattoo”することのも

できます。乳輪の再建は他に”tattoo”すなわち、局所皮弁に機械で色素を刺青する方法があります。

色調は健側に近く色をつけることは可能であるが、欠点は前胸部皮膚に刺青を入れるので、乳輪の質感が

健側と異なる感じに仕上がることです。また、長期間すると色が薄くなるので、刺青の追加が必要です。